大学4回生になり、卒業も就職先もほぼ決まり、残りの学生生活は金はなく彼女はいないが暇だけは莫大にあり時間を持て余す毎日。 
軽音楽部の部室に行っても、いつもの麻雀の面子は誰もいない。
そんなある日、ヨウゾウから電話が。
「今度ニュートラルがワンマンライブするらしいから一緒にいかへん？」
「まじで？ワンマン？凄いやん！行く行くワイマール憲法ー笑」
この電話のちょうど1年前、ザ・ニュートラルとしての初ライブにヘルプでベースを弾いたオレは、就職活動を理由にメンバーへの誘いを断っていた。

あんなにガラガラやったライブハウスは1年後には超満員。
ライブは大成功で、オレは客席からニュートラルの初ワンマンライブを満喫した。
めちゃくちゃ楽しかった。ブルースマンでは誰よりも高く飛んだ。
1度一緒にライブをしたことのあるオレは、ライブ後こともあろうかメンバー目線で駄目だしをアンケートに書きなぐった。
さらに呼ばれてもいない打ち上げに参加し、当時のベースに「ベースをオレにやらせろ」と絡む始末。
(当時のオレに死んでほしい)
1年後に凄い人気バンドになっていたということに激しく嫉妬するみっともないオレー苦笑
 
当時、オレはそれなりに楽しい学生生活を送り、この大学の仲間達と一生楽しく過ごせたら幸せな人生だろうなーと思ったり。
けれど楽しければ楽しい程、何か足りないものを感じてた。
そういった刹那的な楽しさでは満足できない自分がいた。
でもそれが何かはわからない。
 
その分からない何かがニュートラルのライブを見て気が付いた。
そして何か1つのことに情熱をかけて形にしている姿に悔しさが込み上げた。
もしかしたらその輪の中にオレもいたのでは？と思えば思うほど。
(自分で断っておきながら単純で身勝手な発想)
 
これから数ヵ月後、まさかの単位足りずで大学を留年し就職がパアー(笑)
それから１年後まさかまさかのニュートラルからの再オファーが届き、入れ食いで飛びつくオレー苦笑
その日から何か足りないものは明確な目標に変わった。
 
 あの日、客席でオレが見た自分自身は今どんな形になったのだろう？
どんな形になったかは正直分からないが、あの日のオレがもし客席からステージのオレを見たら、同じような何かを感じるような姿でいることは間違いない。
そして、さらにその先を見せてあげたい。
 
今年１３周年目を迎えたニュートラルは、明日あのステージで結成記念ライブをする。
さらなる情熱と感謝の気持ちで、最高のステージにしたい。
みんなと一緒に。
 
代谷