2011/07/15
全曲ライブ企画特別編 短編小説「彼女は友達」
「ふぅ」
部屋中が2酸化炭素になるくらいのため息を吐いてケンジはパソコンの画面を閉じた。
アヤはまだ起きてるみたいだ。
mixiのログイン時間を見ると最終ログインが5分以内だった。
メールを送ろうと思ったけど我慢した。
こんな日々がもう一ヶ月も続いている。
無理矢理誘われたフットサルの練習でアヤと出会った。
でも、ケンジは特になんとも思わなかった。
むしろアヤの友達の方が良いなぁと思っていたくらいだ。
しかし、最初は嫌々行っていた木曜日のフットサルの日がケンジの一週間の楽しみになっていた。
この時に初めてケンジは自分がアヤに恋している事に気が付いた。
アヤにはそのフットサルチームのキャプテンをしているトモキという、ケンジが逆立ちしてもかなわない彼がいた。
トモキの噂は良いものはあまり聞かなかった。
とにかく女にだらしがないらしい。アヤの他にも、あろうことかこのフットサルのチーム内にも関係を持った女の子がいるとかいないとか。
そんな話を聞くのがケンジはたまらなく嫌だったし、何も知らないとは言え、それをぬけぬけと笑い話のようにして来る周りの奴らにも底抜けに腹が立った。
「やっべーーー!」
一本電車を乗り損ね、ケンジは走っていた。
「ケンジ君は遅刻した事がないよね」と、以前、アヤが言ってくれた。
その言葉が自分の内面を見ていてくれたようで、「フットサル上手くなったね!」なんかよりもずっとケンジの心に響いた。
遅刻するわけにはいかない、ウォーミングアップがいらないくらい走った。
すると前からアヤの姿が言えた。ケンジはおーい!と手を振ろうとしてやめた。
アヤは泣いていた。
「どないしたんじゃ」思わず地元の事が出てしまった。
アヤはしゃべらなかった。
が、ケンジにはすぐにトモキの事だと分かった。
それもただの喧嘩ではなく、別れ話なのだと。
近くにある公園で話を聞く事にした。
泣きじゃくるアヤを前にケンジは精一杯笑い話をした。
ケンジミツイのすべらない話。
アヤも笑ってくれた。
でも、すぐにまた悲しい顔した。
話はトモキの話になった。
やはりトモキは他に女の子がいたらしい。
ケンジは今日までに聞いてきたうわさ話をアヤにした。
その勢いで思わず「トモキなんか見た目だけでなーんもつまっとらん。別れて良かったんじゃ!!」と言ってしまった。
アヤは見た事ないような険しい目つきでケンジを睨み返し「ケンジ君には知らないいいところいっぱいあるもん」とアーモンド型の瞳に涙をいっぱい貯めて言い返して来た。
その後、どういう話をしたのかケンジは覚えていない。
あの可愛いアヤにあんな顔をさせるくらい、アヤはトモキに惚れていると言うことが分かった。
それからしばらく連絡がなかった。
「なんであんなこと言うてもたんじゃろ」後悔の念に駆られている時にメールが。
アヤからだった。
「ケンジ君この間はごめんね。私の為だったのに。私は大丈夫。ありがとう。今日、練習サボらしちゃってごめんね」。
この短いメールをケンジは何度も読み返した。
「明日こそは言うぞ!」昨日もたてた誓いをケンジはまた眠る前の布団で呪文のように唱えた。
「明日こそは、明日こそはアヤにこの気持ちを!」。
外は雪が降り出しそうな天気だった。
「明日雪が降ったら言おう。絶対言おう」
しんしんと音がなる中、ケンジは今を枕に置いた。
追記、このオチは全曲ライブで。
部屋中が2酸化炭素になるくらいのため息を吐いてケンジはパソコンの画面を閉じた。
アヤはまだ起きてるみたいだ。
mixiのログイン時間を見ると最終ログインが5分以内だった。
メールを送ろうと思ったけど我慢した。
こんな日々がもう一ヶ月も続いている。
無理矢理誘われたフットサルの練習でアヤと出会った。
でも、ケンジは特になんとも思わなかった。
むしろアヤの友達の方が良いなぁと思っていたくらいだ。
しかし、最初は嫌々行っていた木曜日のフットサルの日がケンジの一週間の楽しみになっていた。
この時に初めてケンジは自分がアヤに恋している事に気が付いた。
アヤにはそのフットサルチームのキャプテンをしているトモキという、ケンジが逆立ちしてもかなわない彼がいた。
トモキの噂は良いものはあまり聞かなかった。
とにかく女にだらしがないらしい。アヤの他にも、あろうことかこのフットサルのチーム内にも関係を持った女の子がいるとかいないとか。
そんな話を聞くのがケンジはたまらなく嫌だったし、何も知らないとは言え、それをぬけぬけと笑い話のようにして来る周りの奴らにも底抜けに腹が立った。
「やっべーーー!」
一本電車を乗り損ね、ケンジは走っていた。
「ケンジ君は遅刻した事がないよね」と、以前、アヤが言ってくれた。
その言葉が自分の内面を見ていてくれたようで、「フットサル上手くなったね!」なんかよりもずっとケンジの心に響いた。
遅刻するわけにはいかない、ウォーミングアップがいらないくらい走った。
すると前からアヤの姿が言えた。ケンジはおーい!と手を振ろうとしてやめた。
アヤは泣いていた。
「どないしたんじゃ」思わず地元の事が出てしまった。
アヤはしゃべらなかった。
が、ケンジにはすぐにトモキの事だと分かった。
それもただの喧嘩ではなく、別れ話なのだと。
近くにある公園で話を聞く事にした。
泣きじゃくるアヤを前にケンジは精一杯笑い話をした。
ケンジミツイのすべらない話。
アヤも笑ってくれた。
でも、すぐにまた悲しい顔した。
話はトモキの話になった。
やはりトモキは他に女の子がいたらしい。
ケンジは今日までに聞いてきたうわさ話をアヤにした。
その勢いで思わず「トモキなんか見た目だけでなーんもつまっとらん。別れて良かったんじゃ!!」と言ってしまった。
アヤは見た事ないような険しい目つきでケンジを睨み返し「ケンジ君には知らないいいところいっぱいあるもん」とアーモンド型の瞳に涙をいっぱい貯めて言い返して来た。
その後、どういう話をしたのかケンジは覚えていない。
あの可愛いアヤにあんな顔をさせるくらい、アヤはトモキに惚れていると言うことが分かった。
それからしばらく連絡がなかった。
「なんであんなこと言うてもたんじゃろ」後悔の念に駆られている時にメールが。
アヤからだった。
「ケンジ君この間はごめんね。私の為だったのに。私は大丈夫。ありがとう。今日、練習サボらしちゃってごめんね」。
この短いメールをケンジは何度も読み返した。
「明日こそは言うぞ!」昨日もたてた誓いをケンジはまた眠る前の布団で呪文のように唱えた。
「明日こそは、明日こそはアヤにこの気持ちを!」。
外は雪が降り出しそうな天気だった。
「明日雪が降ったら言おう。絶対言おう」
しんしんと音がなる中、ケンジは今を枕に置いた。
追記、このオチは全曲ライブで。
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