THE NEUTRAL =歩道橋の上=

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2010/12/12

気付く才能

知人の知人の話。

音楽を目指していたが、あるとき自分に才能がない事、自分の限界を知ってしまい自ら命を絶ったらしい。

僕はこの話を聞いた時、不謹慎ながら「おしいなぁ」と呟いてしまった。

才能がない事、自分の限界に気が付く事。
これが一番大切であり、難しい事。

気付く。

音楽だけに限らず、勘違いヤロウの多いこの世の中で、気付く「感」の良さがあれば、きっと他の道を目指せば大成しただろうにと。

僕の人生も気付いてばっかりだった。
プロ野球選手になれると本気で思っていた。
でも中学時代同級生が場外ホームランを打つのを見て、居残りで手にマメを作るほど素振りをしていた僕は違いを見せつけられバッドを置いた。
勉強すれば東大にも入れると思った。
でも、同じ勉強の量でもはかどるヤツははかどる。

どんなに努力しても叶わないものがある。

でも、僕が今日までの人生で知り合ってきた幾多の人たちを見て思うのは、才能と言うのは一人一つは必ずある。
悲しい事に一番好きな事が、自分に向いていない事もあるだろう。
でも、どうか負けないでほしい。
それが自分に向いていないと気付けたあなたはきっと他の何かで開花する。
そして、なにもその一番好きな事を捨てる事はない。
僕らで言えばデビューしてCDを出す事が夢ならばそんなのはたいした事じゃない。
それなら出した時点で夢は終わってしまう。
夢は「歌う事」なのだ。
いくつになってもどんな形でも好きな歌を好きな時に好きな場所で歌えばいいのだ。
それこそが一番好きなものと向き合える本来の形だと思う。

最後に、才能がある事に気付いてしまい、それが周りの評価と伴っていない事を知ってしまった方が、その他大勢と一緒ゴタにされてしまう方が、よっぽど死にたくなるものだ。

才能＝天才ではない。
才能＝君であり、君が生きている事自体、君が発する言葉、行動、全てが同じ人なんていないのだから、もう才能の尻尾はつかんでいるはず。
君に向いているもの、見つけてみよう。