2007/11/23
中学生日記 「言葉の底にたどり着くまで」
勝手に自分の中で好評だったので、続きを。
いつでも真っすぐで、いつでもひねくれていたあの頃の話。
我らのバイブル「Hot-Dog PRESS」には名物コーナーがあった。
それは知る人ぞ知る北方謙三氏の『青春相談 試みの地平線』だった。
文字通りお悩み相談コーナーである。
読者が抱える、蒼く燻る思いをハードボイルド作家である北方謙三氏がバッサリと答えるというコーナー。今でこそ、いろんなお悩みコーナが展開され、そこで著名人が自分の事を棚に上げ言いたい放題のめちゃくちゃなコメントをするというものがあるが、これはその先駆けでもあり、それよりももっと深いものであったとボクは思う。
10年以上経った今でも、ハードボイルドというと、北方氏を思い出してしまうほどだ。
毎週様々なお悩みが寄せられるわけだが、基本的には好きな人や性の話である。
で、どんな悩みに対しても基本的に北方氏の出す答えは一つなのである。
例えば、「ボクには好きな女の人がいます。でも告白出来ません。その勇気がないのです」という悩みには、「お前はもっと女を抱け!!」とゴシック体をわざわざ太字にして叱る。
「僕は好きな人がいるのですが、その好きな人でやらしい事を想像してしまいます。そんな自分が嫌なのです。先生ボクはおかしいのでしょうか?」系統の悩みには「小僧ども!まずは風俗へ行け!!」がまたもや太字に。
「好きな人を降り向かすにはどうしたら?」系の悩みには、「お前のような軟弱なやつには女は惚れん!まずは女を知れ!女を抱け!!」とご回答。
ちなみに今の例えはボクの記憶によるものなので、曖昧なところはあるが、基本的には「女を抱け!!」であり、僕ら中学生は「なんでも女を抱け!の一点張りやなぁ」と笑っていた。
それでも、大人になって今ようやくその意味が少し分かるようになった。
「女を抱け!」「風俗に行け!」という表現はいささか刺があるが、回答のベクトルとしては間違っていないなぁと思うのである。
ようは、「自信を持て!」なのだ。
異性だけに限らず、仕事でも何でも経験の少ないものに対する免疫を僕らはほとんど持たない。うたれ弱い。駄目なイメージばかりが先行する。そんなもんだから、肝心の事も失敗をする。よくあることだ。
ボク自身、お悩み相談していた彼らと同じように、今日まで生きてきて言えずに終えた恋もいくつかあるのだが、今なら平気で言える気がする。
それはなによりも中学生の頃よりも恋愛経験を増やしたからだろう。
慣れたというのとは少し違う。
ただ、繰り返す中で学んだのだろう。
流した涙。流させた涙。
傷ついた事。傷つけた事。
笑った事。笑わせた事。
振り返りたくないような思い出もあるけど、それらでさえ、今のボクを作り上げる大切な部分になっている事に気が付くのだ。
「女を抱け!」「風俗に行け!」その言葉の表面だけをとって眉をしかめていたらその意味の底にたどり着く事は出来ない。
そこで思考をとめてしまう事はもったいない。
この事の本当の意味に気づけたとき、「俺も大人になったもんだなぁ」と笑えるのだと思う。
それは無くしたものに対して切なく笑うのではなく、今日までの道のりを誇らしげに振り返り笑うものなのだ。
いつでも真っすぐで、いつでもひねくれていたあの頃の話。
我らのバイブル「Hot-Dog PRESS」には名物コーナーがあった。
それは知る人ぞ知る北方謙三氏の『青春相談 試みの地平線』だった。
文字通りお悩み相談コーナーである。
読者が抱える、蒼く燻る思いをハードボイルド作家である北方謙三氏がバッサリと答えるというコーナー。今でこそ、いろんなお悩みコーナが展開され、そこで著名人が自分の事を棚に上げ言いたい放題のめちゃくちゃなコメントをするというものがあるが、これはその先駆けでもあり、それよりももっと深いものであったとボクは思う。
10年以上経った今でも、ハードボイルドというと、北方氏を思い出してしまうほどだ。
毎週様々なお悩みが寄せられるわけだが、基本的には好きな人や性の話である。
で、どんな悩みに対しても基本的に北方氏の出す答えは一つなのである。
例えば、「ボクには好きな女の人がいます。でも告白出来ません。その勇気がないのです」という悩みには、「お前はもっと女を抱け!!」とゴシック体をわざわざ太字にして叱る。
「僕は好きな人がいるのですが、その好きな人でやらしい事を想像してしまいます。そんな自分が嫌なのです。先生ボクはおかしいのでしょうか?」系統の悩みには「小僧ども!まずは風俗へ行け!!」がまたもや太字に。
「好きな人を降り向かすにはどうしたら?」系の悩みには、「お前のような軟弱なやつには女は惚れん!まずは女を知れ!女を抱け!!」とご回答。
ちなみに今の例えはボクの記憶によるものなので、曖昧なところはあるが、基本的には「女を抱け!!」であり、僕ら中学生は「なんでも女を抱け!の一点張りやなぁ」と笑っていた。
それでも、大人になって今ようやくその意味が少し分かるようになった。
「女を抱け!」「風俗に行け!」という表現はいささか刺があるが、回答のベクトルとしては間違っていないなぁと思うのである。
ようは、「自信を持て!」なのだ。
異性だけに限らず、仕事でも何でも経験の少ないものに対する免疫を僕らはほとんど持たない。うたれ弱い。駄目なイメージばかりが先行する。そんなもんだから、肝心の事も失敗をする。よくあることだ。
ボク自身、お悩み相談していた彼らと同じように、今日まで生きてきて言えずに終えた恋もいくつかあるのだが、今なら平気で言える気がする。
それはなによりも中学生の頃よりも恋愛経験を増やしたからだろう。
慣れたというのとは少し違う。
ただ、繰り返す中で学んだのだろう。
流した涙。流させた涙。
傷ついた事。傷つけた事。
笑った事。笑わせた事。
振り返りたくないような思い出もあるけど、それらでさえ、今のボクを作り上げる大切な部分になっている事に気が付くのだ。
「女を抱け!」「風俗に行け!」その言葉の表面だけをとって眉をしかめていたらその意味の底にたどり着く事は出来ない。
そこで思考をとめてしまう事はもったいない。
この事の本当の意味に気づけたとき、「俺も大人になったもんだなぁ」と笑えるのだと思う。
それは無くしたものに対して切なく笑うのではなく、今日までの道のりを誇らしげに振り返り笑うものなのだ。
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