2008/12/02
記憶の整理「初めてのアルバイト」
高校生の頃、僕らは常に金欠だった。
朝から晩までクラブ活動をしているから確かに使い道はないのだけれども、それにしてもお金がなかった。
当時食堂で中華そばが250円。
普通のキツネそばが180円。
当然、みんなキツネそばである。
中華そばを食べるなんてセレブはどこにもいない。
そこで僕は、僕をひいきにしてくれている食堂のおばちゃんの一人(通称ビックママ)をそそのかし、キツネそばの器に中華そばを入れてもらうことで、180円で中華そばを食べるという裏技を編み出した。
上上下下左右左右BAばりの裏技である。
姫路は駅そばを見てもらったら分かる通り、おそばが中華麺のように黄色いそばなんてことがあるので、なし得たこの技。
今だとたかが70円じゃないか、と言えるのだけど、当時はそれほどお金がなかった。
そんな金もなかった頃に、彼女が出来てしまった。
70円を切り抜けることに試行錯誤するスポーツバカに彼女である。
丘の上の恋である。
それでも一生懸命、映画や一緒に遊ぶ時の喫茶店のお金を親に手がすり減るくらいこすって出してもらっていた。
そんなある日、誕生日を目前にした彼女に「何が欲しい?」と聞いたところ「アニエスbの時計」とズバリと言いやがった。
もちろん、年がら年中、炎天下のもと「一年声出せーーー!」と叫んでいるスポーツバカの僕がアニエスだけならまだしも「b」と書いて「ベー」と読むブランド名を知るよしもがな、である。
黒船来襲。
文明開化の音がすりゃ。
こちとら知ってるのは本気と書いてマジだけである。
70円のお金を頭抱えている少年に、アニエスbの時計は2万円という3桁も違う額を見せつけた。
イチローのバッティングを見て、「あれならオレにも出来るんじゃないか?」そう思った人はたくさんいるはず。
人は自分とあまりにかけ離れたスケールのものを見ると、逆にいける気になるもんだから不思議である。
2万円。
2万円。
2万円。
もちろん親に「彼女が誕生日やから時計買うたるねん、金くれ」なんて言えるはずもがな。
結局僕はクラブの合間を縫って、日払いのアルバイトをすることにした。
まず始めに引っ越しのバイト。
こちとら年がら年中、炎天下のもと水も飲まずに走り回っているのである。
体力には自信有り。
のはずが、慣れていないもんで死にかけた。
次に、最近出来たショッピングモールの着ぐるみのアルバイト。
臭い臭い着ぐるみを来て、「おい!しゃべれるんやろ?しゃべれや!」と蹴ってくる姫路の強い丈夫(ますらお)な子供を相手にして、時には社員さんにバレないように「向こういけ!ガキ、向こういけ!」と子供を脅しながら、チャックを開けられながら働いた。
あの仕事は子供に夢を与えるらしく、着ぐるみの頭がずれても手で直してはいけない!楽屋に一度引っ込んだ後に直せ!と千葉のキャラクター城ばりに厳しかった。当の子供はと言えば僕のケツを蹴っ飛ばしに来ているのに。。。
一度一緒に働いていた友人が、休憩した後、オレンジのスパッツを履いたまでは良いが、下の着ぐるみを履くのを忘れてそのまま出てしまい、子供達にもっこりとしたお下品な格好を披露してしまった。
社員の「あいつを連れ出せーーー!」の怒号が飛び交う中、姫路の子供達には一番受けていた。
ちなみに、そのショッピングモールこそが僕が今でもたまにインストアライブ等で歌うあの場所なのだ。
数年前にバイトしたところで、今は招かれて歌っている。
あんま変わっちゃいないな、笑。
かくして僕はバイト代を貯めて、無事に時計を彼女にプレゼントし、半年後別れた。
スポーツバカの僕はもうちょっとで「別れても良いから時計返して」と言いそうになったのは言うまでもないがな。
朝から晩までクラブ活動をしているから確かに使い道はないのだけれども、それにしてもお金がなかった。
当時食堂で中華そばが250円。
普通のキツネそばが180円。
当然、みんなキツネそばである。
中華そばを食べるなんてセレブはどこにもいない。
そこで僕は、僕をひいきにしてくれている食堂のおばちゃんの一人(通称ビックママ)をそそのかし、キツネそばの器に中華そばを入れてもらうことで、180円で中華そばを食べるという裏技を編み出した。
上上下下左右左右BAばりの裏技である。
姫路は駅そばを見てもらったら分かる通り、おそばが中華麺のように黄色いそばなんてことがあるので、なし得たこの技。
今だとたかが70円じゃないか、と言えるのだけど、当時はそれほどお金がなかった。
そんな金もなかった頃に、彼女が出来てしまった。
70円を切り抜けることに試行錯誤するスポーツバカに彼女である。
丘の上の恋である。
それでも一生懸命、映画や一緒に遊ぶ時の喫茶店のお金を親に手がすり減るくらいこすって出してもらっていた。
そんなある日、誕生日を目前にした彼女に「何が欲しい?」と聞いたところ「アニエスbの時計」とズバリと言いやがった。
もちろん、年がら年中、炎天下のもと「一年声出せーーー!」と叫んでいるスポーツバカの僕がアニエスだけならまだしも「b」と書いて「ベー」と読むブランド名を知るよしもがな、である。
黒船来襲。
文明開化の音がすりゃ。
こちとら知ってるのは本気と書いてマジだけである。
70円のお金を頭抱えている少年に、アニエスbの時計は2万円という3桁も違う額を見せつけた。
イチローのバッティングを見て、「あれならオレにも出来るんじゃないか?」そう思った人はたくさんいるはず。
人は自分とあまりにかけ離れたスケールのものを見ると、逆にいける気になるもんだから不思議である。
2万円。
2万円。
2万円。
もちろん親に「彼女が誕生日やから時計買うたるねん、金くれ」なんて言えるはずもがな。
結局僕はクラブの合間を縫って、日払いのアルバイトをすることにした。
まず始めに引っ越しのバイト。
こちとら年がら年中、炎天下のもと水も飲まずに走り回っているのである。
体力には自信有り。
のはずが、慣れていないもんで死にかけた。
次に、最近出来たショッピングモールの着ぐるみのアルバイト。
臭い臭い着ぐるみを来て、「おい!しゃべれるんやろ?しゃべれや!」と蹴ってくる姫路の強い丈夫(ますらお)な子供を相手にして、時には社員さんにバレないように「向こういけ!ガキ、向こういけ!」と子供を脅しながら、チャックを開けられながら働いた。
あの仕事は子供に夢を与えるらしく、着ぐるみの頭がずれても手で直してはいけない!楽屋に一度引っ込んだ後に直せ!と千葉のキャラクター城ばりに厳しかった。当の子供はと言えば僕のケツを蹴っ飛ばしに来ているのに。。。
一度一緒に働いていた友人が、休憩した後、オレンジのスパッツを履いたまでは良いが、下の着ぐるみを履くのを忘れてそのまま出てしまい、子供達にもっこりとしたお下品な格好を披露してしまった。
社員の「あいつを連れ出せーーー!」の怒号が飛び交う中、姫路の子供達には一番受けていた。
ちなみに、そのショッピングモールこそが僕が今でもたまにインストアライブ等で歌うあの場所なのだ。
数年前にバイトしたところで、今は招かれて歌っている。
あんま変わっちゃいないな、笑。
かくして僕はバイト代を貯めて、無事に時計を彼女にプレゼントし、半年後別れた。
スポーツバカの僕はもうちょっとで「別れても良いから時計返して」と言いそうになったのは言うまでもないがな。
Category
■ 曲解説 (7)
Recent Diary
Recent Photo
2017/06/19 :: アコースティックCD
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2016/04/13 :: ありがとう親父
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2016/03/19 :: 千葉LOOKの楽屋にて
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2014/12/25 :: ソロワンマンを終えて
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2014/10/27 :: SONYのMDR-CD900ST
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2013/02/14 :: 大阪青春物語「女優魂」
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2013/02/11 :: 大阪青春物語
!!$photo2!!
!!$photo2!!
2012/07/02 :: 侠気には侠気を!だろ?
2012/02/17 :: 路上ライブは新宿から渋谷に変更です。
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2011/12/06 :: Gibsonハミングバード
!!$photo1!!!!$photo2!!
!!$photo1!!!!$photo2!!
all photo