2015/12/19
ハチキ君と僕とクリスマス
僕が子供の頃に住んでいた県営住宅、略して県住は、king of 県住ちゅーか、姫路の中でもなかなかの貧しさを誇る団地だった。
県住は基本的には県住に住んでいる子供以外は入ってきてはいけない、子供たちも県住から外に出て遊んでは行けないという、鎖国令が出されており、僕らは県住にある公園に集まり上級生から幼稚園の僕までが閉鎖的に遊んでいた。
その中で圧倒的なリーダー感を出していたのが当時上級生だったハチキ君だ。
貧しかった僕らは基本的におもちゃなんて買えない。
なので遊びもアイデア勝負なのだが、ハチキ君が提案するのは電車に置き石をしよーぜ(もちろん結果やりませんでしたが)とか、カエルのケツに爆竹いれよーぜ!などとスラム街丸出しの発想。
ハチキ君はリーダーシップもあり、怖くて、しかもクールで、とにかく一目を置かれると言うよりは恐れられている存在だった。
先日、実家に帰った時に兄からそのハチキ君にまつわるエピソードを聞いた。
それはちょうど今のような季節だったらしい。
クリスマスの話題になったときのこと。
半分以上の家が「この世にサンタなんていねぇーんだ!酒買ってこい!」というアグレッシブな親父を持つ家なので、県住にサンタが来るのはまれな事。
そんな中、幼稚園の僕がメルヘンチックに「今年はサンタさん来るのかなぁ」と呟いていたのを県住の門番ハチキ君は聞き逃さなかった。
「えっ!?なに!??しげる!?サンタおる思ってるの??」
兄貴はヤバい、、、と思ったらしい。
僕は即答で「うん」。
するとハチキ君は一言だけ。
「おるよ。」
と答えたらしい。
ハチキ君の性格からして、「お前アホちゃうかー!もっと強く生きていかなあかんのじゃ!おれらーは」と言いそうなのに、最年少の僕の夢を守ってくれたのだ。
この話を僕は2015の年末に知る事になる。
あのとき、僕に世の中を色眼鏡で見る事を遠ざけてくれたハチキ君の優しさに感謝したい。
追記
ちなみに我が家は僕が小学上がる時に県住を卒業したのだが、大きくなってから一度だけハチキ君と兄貴は再会したらしい。ハチキ君は立派に働いており、うちの親父と礼儀正しく話をしていたという。
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