2014/10/16
人生初のファンクラブ旅行の時
それは長い事バンドをやって来てはじめてのファンクラブ旅行の日だった。
どんな一日になるんだろう。。。
なんて考えながら機材を降ろしていると入院しているはずの親父から電話。
なんだろうと思い電話に出ると、今までに聞いた事のないようなか細い声で息を切らしながら「わしはもうあかんかもしれん。」とイントロなしのサビ入り。
その後はまるで遺言のような事を話し出したので、僕は「ちょっと待って!何言ってんの!大丈夫よ!」と声をかけた。
すると「いや、ちょっと今回ばかりはあかんかもわからん」とあの強気の親父からは想像もできない発言。
それでも僕は「情けない事言わんといて。絶対大丈夫よ!」と言うと、最後には「まぁな」と笑ってくれた。
電話を切ったあとも胸がざわついていた。
そんな気持ちのまま人生初のファンクラブ旅行が始まった。
あの時の気持ちは今になっても説明も整理も出来ない。
親父が危ないかもしれない。
もう二度と会えないかも分からない。
「こんな時にオレは。。。」「オレは今上手く笑えているのか??」
何かをしていても、急に素の顔に戻っていたり、ふと窓に映る自分の顔がとても厳しいものになっている事に気がつき何度も空を見上げて気持ちを整えた。
だけど、「こんな時にオレは。。。」という気持ちよりも、「こんな時だからこそ一人でいなくて良かった。」「たくさんの人に囲まれて誰かと話が出来て良かった」の方が勝っていた、と思う。
あの日来てくれたファンの人、メンバー、旅行会社のみなさん。
あの人達があの日の僕の心を倒れないように支えてくれていたと、今、改めてそう思う。
ただ、あの日は「こんな時にオレは。。。」と「こんな時にみんながいてくれて良かった」という気持ちが何度も何度も入れ替わって、重なって、心を波立てていた。
結局、親父はなんとか乗り切り、あれから退院して、もう何ヶ月も自宅で元気に過ごしている。
なのでこの一件以降、ファンクラブ旅行に乗る気じゃなかった僕も、これでがらっと大好きになってしまった。
もし次回があるならばきっと違う場所になるんだろうけど、いつかまた、あの旅館にみんなで行ってみたいなぁなんて思う。
改めて、あの日のすべての人、そして親父のもしかしたらを打ち消してくれた神様なのか仏様なのかには感謝をしたい。
ありがとう。
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