2014/10/13
蒼く焦がせ!バンドマン!!
2年前、同郷の後輩バンドが東京のワンマンライブをもって解散した。
そして今週、そのメンバーの一人が関西に帰るという事になった。
そこで「じゃ、最後に一緒にスタジオで演奏しようか!」と言う事になったらしい。
ファンの人からしたら、「どうせならライブをしてくれればいいのに」と思う人もいるかもしれないが、「一日だけならやってもいい!」というメンバーもいれば「大切なものだったからこそもう出来ない」というメンバーもいるのがバンドマン。
別れた恋人と笑って会えることも少ないし、時間もかかるもんだ。
その気持ちとすこし似ている。
ということで、いろんな用事と重なったので少しだけそのスタジオに顔を出した。
「うまく演奏できるかな」とまるでおっさんになって久しぶりに楽器を持つヤツのような発言をしながら照れくさそうにセッティングをしていた。
そして「さぁ、やろうか!」というのでもなく、自然にVoが歌いだして一曲目がスタートした。おそらく長年ずっとこのスタイルでやってきたのだろう。
演奏はもうへなちょこで間違いまくるし、どうしようもないけど、地元で音楽やってた時こんな感じだったんだろうなぁと思いながら眺めていた。
はじめは音楽が大好きだった。
その好きな音楽をやるだけで、今までのしょうもない自分の人生に初めて光が当たった。
頭も良くなくスポーツも人並みだった自分が、モテるようになった。
ライブをやった。
ちょっと人気が出てきた。
ワンマンライブをやった。
大成功した。
「ひょっとしたら俺たち」そう思えた。
そう思えたからメンバーに強く当たった。
少しずつメンバーが友達という関係ではなくなっていった。
「デビューしたい」という気持ちが出てきた。
東京に行こうと決めた。
トントン拍子で色々決まっていった。
「ひょっとしたら俺たち」が「やっぱり俺たち」に変わった。
いけると思った。
信じた。
だけど、つまづいた。
気がつかない振りをした。
傷を隠した。
ケガしてる事を言った方がいいんじゃないかとメンバーの一人が言った。
それでも傷口に肌色の絵の具を塗ってステージに立った。
「ひょっとしたら俺たち」が「やっぱり俺たちなんて」に戻っていった。
愛する人が出来た。
愛する人の顔にしわが増えた。
守ってやらなきゃと思った。
今日も夜からリハーサルだ。
バイトは今日で6連勤。
疲れた体でリハーサルに行った。
曲を覚える暇なんてなかった。
メンバーの一人に「なんで覚えてないんだ!」と責められた。
「ふざけんな!」と思った。
その「ふざけんな!」がそいつに対してか、自分に対してか、今の状況に対してか分からなくなった。
愛する人が泣いていた。
音楽を続けてほしいといっていた。
でも待てないかもと泣いていた。
今日もライブだ。
休日なんてない。
愛する人はライブの時、家で何をして待っているんだろう。
打ち上げに愛する人を呼んだ。
嬉しそうにしていて良かった。
打ち上げで飲み過ぎた。
先輩の鬱陶しいおもしろくない話に付き合ってもう3時だ。
出待ちのファンの人がいた。
愛する人を隠した。
愛する人はまた少し寂しそうな顔をした。
明日は7時起きだ。
また6連勤だ。
CDはもう2ヶ月売れていない。
疲れたなぁ。
重たいなぁ。
歩けないや。
あれ、音楽ってこんなだっけ。
これは誰の話でもない。
でもどのバンドマンの話でもあると言える。
バンドをやる事に覚悟がいるなんて思ってなかった。
だれも。
でも本当はいらないんだ。
覚悟なんて。
今、お前たちが楽しそうに照れくさそうにやっている姿が本来のバンドの楽しみ方。
メンバーで楽しんでいる姿を見るのが好きな人が集まる。
それがライブ。
誰かのためにやるのではなく、楽しいからやる。
なんだ。
と思いながら僕はスタジオの片隅でぼんやりとその風景を眺めていた。
残念だけど、この話はここで終わり。
あとはメンバー水入らずがいいだろうなぁと思い、途中で何を言わずにスタジオを退出した。
演奏中、ずっと思っていた。
もし解散したら僕はこんな風に笑ってメンバーと会えるだろうか。
こんなに好きですべてを費やしたバンドだからこそもう出来ないかもしれない。
という思いと、それでもやるだろうなぁという思いがあり、両極端の答えの前で腕組みをしていた。
でも帰り道が気がついた。
そら、その気持ち、今の僕にはわかるはずもないよなぁ。
明日もライブだ。
たくさんの人が見に来てくれる。
僕ら4人が楽しむところを。
せまーい神戸の音楽スタジオで照れくさそうに4人で演奏したのが今のメンバーでの初演奏。
僕らはいまもその延長線上にいる。
その延長線上の一番先にいる。
はずかしげもなくいうが、今も僕らは青春のまっただ中にいる。
そして今週、そのメンバーの一人が関西に帰るという事になった。
そこで「じゃ、最後に一緒にスタジオで演奏しようか!」と言う事になったらしい。
ファンの人からしたら、「どうせならライブをしてくれればいいのに」と思う人もいるかもしれないが、「一日だけならやってもいい!」というメンバーもいれば「大切なものだったからこそもう出来ない」というメンバーもいるのがバンドマン。
別れた恋人と笑って会えることも少ないし、時間もかかるもんだ。
その気持ちとすこし似ている。
ということで、いろんな用事と重なったので少しだけそのスタジオに顔を出した。
「うまく演奏できるかな」とまるでおっさんになって久しぶりに楽器を持つヤツのような発言をしながら照れくさそうにセッティングをしていた。
そして「さぁ、やろうか!」というのでもなく、自然にVoが歌いだして一曲目がスタートした。おそらく長年ずっとこのスタイルでやってきたのだろう。
演奏はもうへなちょこで間違いまくるし、どうしようもないけど、地元で音楽やってた時こんな感じだったんだろうなぁと思いながら眺めていた。
はじめは音楽が大好きだった。
その好きな音楽をやるだけで、今までのしょうもない自分の人生に初めて光が当たった。
頭も良くなくスポーツも人並みだった自分が、モテるようになった。
ライブをやった。
ちょっと人気が出てきた。
ワンマンライブをやった。
大成功した。
「ひょっとしたら俺たち」そう思えた。
そう思えたからメンバーに強く当たった。
少しずつメンバーが友達という関係ではなくなっていった。
「デビューしたい」という気持ちが出てきた。
東京に行こうと決めた。
トントン拍子で色々決まっていった。
「ひょっとしたら俺たち」が「やっぱり俺たち」に変わった。
いけると思った。
信じた。
だけど、つまづいた。
気がつかない振りをした。
傷を隠した。
ケガしてる事を言った方がいいんじゃないかとメンバーの一人が言った。
それでも傷口に肌色の絵の具を塗ってステージに立った。
「ひょっとしたら俺たち」が「やっぱり俺たちなんて」に戻っていった。
愛する人が出来た。
愛する人の顔にしわが増えた。
守ってやらなきゃと思った。
今日も夜からリハーサルだ。
バイトは今日で6連勤。
疲れた体でリハーサルに行った。
曲を覚える暇なんてなかった。
メンバーの一人に「なんで覚えてないんだ!」と責められた。
「ふざけんな!」と思った。
その「ふざけんな!」がそいつに対してか、自分に対してか、今の状況に対してか分からなくなった。
愛する人が泣いていた。
音楽を続けてほしいといっていた。
でも待てないかもと泣いていた。
今日もライブだ。
休日なんてない。
愛する人はライブの時、家で何をして待っているんだろう。
打ち上げに愛する人を呼んだ。
嬉しそうにしていて良かった。
打ち上げで飲み過ぎた。
先輩の鬱陶しいおもしろくない話に付き合ってもう3時だ。
出待ちのファンの人がいた。
愛する人を隠した。
愛する人はまた少し寂しそうな顔をした。
明日は7時起きだ。
また6連勤だ。
CDはもう2ヶ月売れていない。
疲れたなぁ。
重たいなぁ。
歩けないや。
あれ、音楽ってこんなだっけ。
これは誰の話でもない。
でもどのバンドマンの話でもあると言える。
バンドをやる事に覚悟がいるなんて思ってなかった。
だれも。
でも本当はいらないんだ。
覚悟なんて。
今、お前たちが楽しそうに照れくさそうにやっている姿が本来のバンドの楽しみ方。
メンバーで楽しんでいる姿を見るのが好きな人が集まる。
それがライブ。
誰かのためにやるのではなく、楽しいからやる。
なんだ。
と思いながら僕はスタジオの片隅でぼんやりとその風景を眺めていた。
残念だけど、この話はここで終わり。
あとはメンバー水入らずがいいだろうなぁと思い、途中で何を言わずにスタジオを退出した。
演奏中、ずっと思っていた。
もし解散したら僕はこんな風に笑ってメンバーと会えるだろうか。
こんなに好きですべてを費やしたバンドだからこそもう出来ないかもしれない。
という思いと、それでもやるだろうなぁという思いがあり、両極端の答えの前で腕組みをしていた。
でも帰り道が気がついた。
そら、その気持ち、今の僕にはわかるはずもないよなぁ。
明日もライブだ。
たくさんの人が見に来てくれる。
僕ら4人が楽しむところを。
せまーい神戸の音楽スタジオで照れくさそうに4人で演奏したのが今のメンバーでの初演奏。
僕らはいまもその延長線上にいる。
その延長線上の一番先にいる。
はずかしげもなくいうが、今も僕らは青春のまっただ中にいる。
Category
■ 曲解説 (7)
Recent Diary
Recent Photo
2017/06/19 :: アコースティックCD
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2016/04/13 :: ありがとう親父
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2016/03/19 :: 千葉LOOKの楽屋にて
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2014/12/25 :: ソロワンマンを終えて
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2014/10/27 :: SONYのMDR-CD900ST
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2013/02/14 :: 大阪青春物語「女優魂」
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2013/02/11 :: 大阪青春物語
!!$photo2!!
!!$photo2!!
2012/07/02 :: 侠気には侠気を!だろ?
2012/02/17 :: 路上ライブは新宿から渋谷に変更です。
!!$photo1!!
!!$photo1!!
2011/12/06 :: Gibsonハミングバード
!!$photo1!!!!$photo2!!
!!$photo1!!!!$photo2!!
all photo