2012/08/06
NEW KINGにて「風来坊のヤマダ」
NEW KINGの地下はいつものおばちゃん、パートのおばちゃん、そしてチンピラ崩れの虎ちゃんの3人で構成されていたのだが、そこに新たな男がやって来た。
年の功なら30歳くらいだろうか?
というか、これは今になっても同じなのだが、自分より上の世代の人の年齢に関しては詳しく分からない。ごめんなさい、興味がない。
「おっさん」「じいさん」という大きなカテゴライズをしてしまう。失礼な話だ。
自分もいずれ行く道であり、そのときに若者におっさんという適当なカテゴライズされたら激怒するだろうに。
話を戻そう。
その年齢もよく覚えていない男。
実は名前も知らない。
だが僕とヨウゾウの間で勝手に「ヤマダ」と名付けていた。
理由もへったくれもない。
ヤマダっぽい顔だったからだ。
ヤマダは東北出身みたいなことを言ってた記憶がある。
このヤマダも、流れに流れまわって辿り着いた先がNEW KINGだったようだ。
虎ちゃんと同じく住み込みで働いているらしい。
なんのきっかけだったか忘れたがヤマダが急に親しげに話してきて、今日は「17番台に座れ」といってきた。
何を言ってんだ!?と思いながらも座ってみると、モーニング大当たり。
なんとヤマダは知り合いでもない僕らに当たり台を教えるという離れ業をやってのけたのだ。
それからというもの、朝並んでいると、ヤマダがガラス越し地下からジェスチャーで「20番台!」と教えてきたり、こっそり紙に「13,16,20」という当たり台を教えてきたりした。
そんなことをしてもらわなくてもボクらはこの店のコツをつかんでいたのでトータルで負けることはなかったのに、ヤマダのこの行為のせいですごく後ろめたい気持ちになった。
あるときヤマダにご飯に行こうと誘われた。
なんとなくヨウゾウと僕、どちらかのことを好きなんじゃないかという話になった。
僕らは断り続けた。
それでもヤマダは気を悪くすることなく当たり台を教え続けた。
ただ、ヤマダはすごくおっちょこちょいで調子乗りだったので、書いてある当たり台が間違えていることが多々あったことを付け足しておこう。
そんなヤマダがある日、いつになく深刻な顔で僕らにもうすぐこの店をやめることになると打ち明けてきた。
「ふーん、あっそ」くらいにしか思っていなかった僕らに、ヤマダは急に笑顔で「大丈夫や!俺がおらんようになってもあいつに当たり台教えるように言っておいたから!俺の方が年上やから大丈夫だ!!」となんともデリカシーのないことを言って退けた。
あいつとはもちろん虎ちゃんのことである。
後から入って先輩である虎ちゃんに命令するとは。
虎ちゃんの住み込み部屋に後は入りしながらも偉そうにしていたことが容易に想像できるし、なによりも今日まで実力で勝ってきた僕らなのに、急に不正の事実を知った虎ちゃんはどう思うのだろうか。
何しやがんねん!このあほ!!と言いたい気持ちになったが、ヤマダの笑顔を見ているとそんな気にもなれず。
そしてヤマダはいつの間にかいなくなった。
ヤマダがいなくなってしばらく、虎ちゃんはこっそりと僕らに当たり台を教えてくれた。律儀な人だ。
でも虎ちゃんはもう昔ほど僕らに気軽に話しかけてくれなくなった。
僕のこともプロなんて呼ばなくなった。
僕は後ろめたさとなぜか泣きたくなるような切なさがこみ上げてきて、少しずつNEW KINGから足が遠のいた。
いや、正直に言えば夏休みが終わっただけなのだが。。。
ヤマダは今、どこで何をしているのだろうか?
なぜ彼は姫路という街を選んだんだろうか?
そして住み込みで働いていたのに、なぜ彼は出て行ったのだろうか?
それを読み取るには僕らはまだ幼すぎた。
ヤマダは僕の歌を、、、、、聴いてないだろう。
でもヤマダは今どこで何をしているんだろう?
きっと僕はすれ違ってもわからない。
顔も思い出せない。
ただ、ヤマダが好きだったのが僕であったならば彼は僕に気づくんだろうなぁ。
その際には今度は僕が当たり台を教えてくれたお礼にご飯でも行ってあげたいものだ。もちろん一人だと怖いのでヨウゾウも呼んで。
年の功なら30歳くらいだろうか?
というか、これは今になっても同じなのだが、自分より上の世代の人の年齢に関しては詳しく分からない。ごめんなさい、興味がない。
「おっさん」「じいさん」という大きなカテゴライズをしてしまう。失礼な話だ。
自分もいずれ行く道であり、そのときに若者におっさんという適当なカテゴライズされたら激怒するだろうに。
話を戻そう。
その年齢もよく覚えていない男。
実は名前も知らない。
だが僕とヨウゾウの間で勝手に「ヤマダ」と名付けていた。
理由もへったくれもない。
ヤマダっぽい顔だったからだ。
ヤマダは東北出身みたいなことを言ってた記憶がある。
このヤマダも、流れに流れまわって辿り着いた先がNEW KINGだったようだ。
虎ちゃんと同じく住み込みで働いているらしい。
なんのきっかけだったか忘れたがヤマダが急に親しげに話してきて、今日は「17番台に座れ」といってきた。
何を言ってんだ!?と思いながらも座ってみると、モーニング大当たり。
なんとヤマダは知り合いでもない僕らに当たり台を教えるという離れ業をやってのけたのだ。
それからというもの、朝並んでいると、ヤマダがガラス越し地下からジェスチャーで「20番台!」と教えてきたり、こっそり紙に「13,16,20」という当たり台を教えてきたりした。
そんなことをしてもらわなくてもボクらはこの店のコツをつかんでいたのでトータルで負けることはなかったのに、ヤマダのこの行為のせいですごく後ろめたい気持ちになった。
あるときヤマダにご飯に行こうと誘われた。
なんとなくヨウゾウと僕、どちらかのことを好きなんじゃないかという話になった。
僕らは断り続けた。
それでもヤマダは気を悪くすることなく当たり台を教え続けた。
ただ、ヤマダはすごくおっちょこちょいで調子乗りだったので、書いてある当たり台が間違えていることが多々あったことを付け足しておこう。
そんなヤマダがある日、いつになく深刻な顔で僕らにもうすぐこの店をやめることになると打ち明けてきた。
「ふーん、あっそ」くらいにしか思っていなかった僕らに、ヤマダは急に笑顔で「大丈夫や!俺がおらんようになってもあいつに当たり台教えるように言っておいたから!俺の方が年上やから大丈夫だ!!」となんともデリカシーのないことを言って退けた。
あいつとはもちろん虎ちゃんのことである。
後から入って先輩である虎ちゃんに命令するとは。
虎ちゃんの住み込み部屋に後は入りしながらも偉そうにしていたことが容易に想像できるし、なによりも今日まで実力で勝ってきた僕らなのに、急に不正の事実を知った虎ちゃんはどう思うのだろうか。
何しやがんねん!このあほ!!と言いたい気持ちになったが、ヤマダの笑顔を見ているとそんな気にもなれず。
そしてヤマダはいつの間にかいなくなった。
ヤマダがいなくなってしばらく、虎ちゃんはこっそりと僕らに当たり台を教えてくれた。律儀な人だ。
でも虎ちゃんはもう昔ほど僕らに気軽に話しかけてくれなくなった。
僕のこともプロなんて呼ばなくなった。
僕は後ろめたさとなぜか泣きたくなるような切なさがこみ上げてきて、少しずつNEW KINGから足が遠のいた。
いや、正直に言えば夏休みが終わっただけなのだが。。。
ヤマダは今、どこで何をしているのだろうか?
なぜ彼は姫路という街を選んだんだろうか?
そして住み込みで働いていたのに、なぜ彼は出て行ったのだろうか?
それを読み取るには僕らはまだ幼すぎた。
ヤマダは僕の歌を、、、、、聴いてないだろう。
でもヤマダは今どこで何をしているんだろう?
きっと僕はすれ違ってもわからない。
顔も思い出せない。
ただ、ヤマダが好きだったのが僕であったならば彼は僕に気づくんだろうなぁ。
その際には今度は僕が当たり台を教えてくれたお礼にご飯でも行ってあげたいものだ。もちろん一人だと怖いのでヨウゾウも呼んで。
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